同一労働同一賃金の施行した場合の注意点

同一労働同一賃金を守らない場合の罰則は?

企業として一番気になるところは、対策が出来ていない際に罰則規定があるかどうかです。結論からいうと明確な罰則規定は設けていません。同一労働同一賃金については政府のガイドラインを示しているだけなので、対策がまだ不十分な状況であっても罰則を受けることはありません。

しかし、そのままにしておくことはリスクがあります。なぜなら、従業員から待遇格差で損害賠償を請求される場合もあるからです。不合理な待遇差を実施し続けることは、政府が掲げている方針に反することになり、社会的信用も失い兼ねません。早い段階で整備を進めておくことがお勧めです。

同一労働同一賃金で押さえておくことは?

不合理な待遇差を解消することが目的で導入されている同一労働同一賃金。その際、どのようなことに気をつけていけばいいのでしょうか。

厚生労働省が「同一労働同一賃金ガイドライン」を策定しています。実際書かれている項目は、基本給・賞与・各種手当・福利厚生と教育訓練についての指針です。各項目について具体的に待遇がどの程度まで許容可能かという基準は明確になっていません。

ポイントとしては、「待遇差がある場合には理由を明確に打ち出す」ことです。

例えば、基本給であれば、正社員と非正社員との間に職務内容での違いが明確なこともあり、賃金が変わっていても不合理な待遇差にならない部分もあります。

しかし、明確に理由を作ることが難しいもの、特に各種手当や福利厚生は正社員と非正社員に関わらず目的が当てはまることが多いです。待遇差の理由が明確にしづらいところは解消していくことが大事になってくるでしょう。

まとめ

今回は同一労働同一賃金の施行した場合の注意点についてお伝えしました。今後、労働者人口の減少は続いていきます。企業にとって人材の確保は必要不可欠です。早めに対策を打って万全の体制を作っておきましょう。

同一労働同一賃金の導入手順方法とは?

同一労働同一賃金を導入するときの方法

大まかな流れは6つです。順に説明していきます。
1つ目は「従業員の雇用形態を明確にする」ことです。詳細に確認が必要です。契約社員・アルバイト・パートタイムなど細分化し雇用形態を確認します。

2つ目は「待遇の確認」です。正社員と非正社員の異なる部分、例えば賃金や福利厚生などについて待遇差があるかどうか、異なるところはあるか確認し明確にしておきます。

3つ目は「待遇の違いがある場合の理由を明確にする」ことです。正社員と非正社員の役割や働き方が異なっている場合、賃金や福利厚生も待遇は異なる部分もあります。その際待遇が異なれば、違いがある理由を明確にしてそれぞれの待遇ごとに方針を決めておく必要があります。

4つ目は「相違がある待遇内容を説明できるようにすること」です。もし待遇内容について従業員から説明を求められた時には説明する義務があります。正社員と非正社員の違いが明確に伝えることが出来るようにすることが必要です。文書にまとめておくと、役に立ちます。

5つ目は「法違反が疑われる状況から早期に改善していくこと」です。やはり正社員と非正社員の待遇差が「不合理ではない」と言える状況にしなければなりません。もし出来ていない場合は早期に改善が必要になります。

6つ目は「改善計画を立て取り組むこと」です。必要に応じて実施していくことで、就業規則や賃金規定の見直しも必要になる可能性があります。計画的に取り組み、現状とのギャップも確認していきましょう。

また同一労働同一賃金は厚生労働省からも事業者向けの支援ツールも紹介しています。活用してみるのもよいでしょう。

まとめ

今回、同一労働同一賃金の導入手順方法についてお伝えしました。本格的にガイドラインの作成は必要です。安心して正社員も非正社員も活躍できる場を作れるよう、早期に整備をしていきましょう。

同一労働同一賃金のメリットデメリットとは?

同一労働同一賃金のメリット

同一労働同一賃金のメリットは2つあります。
1つ目は業績アップが期待できることです。なぜなら同一労働同一賃金の導入によって非正社員の賃金などの待遇が改善するからです。導入されることで、待遇や評価に対する不満が解消されることで、業務についての意欲やモチベーションも高まっていくことが予想されます。更に非正社員のモチベーション向上は仕事に対する意識も変化します。業務効率を上げ、生産性を向上させることで企業にとって業績アップも期待できます。

2つ目は人材不足の解消が期待できることです。なぜなら非正社員の納得感のある待遇によって採用が容易になるからです。同一労働同一賃金が導入された企業とされていない企業であれば、ほとんどの人が導入企業を選びます。つまり、正社員との賃金格差がなくなり、納得感のある状態で働けることから採用活動にもプラスになります。結果として選んでもらえる可能性も高まりますので、人材不足の解消に繋がります。

同一労働同一賃金のデメリット

それでは、同一労働同一賃金のデメリットはあるのでしょうか。デメリットとしては人件費の上昇が挙げられます。なぜなら同一労働同一賃金の導入は非正社員の賃金を引き上げることが必要だからです。今までの雇用条件とは異なり。不合理な正社員と非正社員の格差は認められなくなるので、正社員と同等の仕事を行っている場合には、正社員と同じ賃金を支払う必要が出てきます。特に今まで待遇の格差が大きかった企業にとっては、人件費の向上は避けられないことになります。

まとめ

同一労働同一賃金のメリットとデメリットについてお伝えしました。生産効果の向上や人材の確保も容易になる反面、人件費の上昇は考えておく必要があります。今後の企業の成長の為にも、深く知っておくことが必要です。